恋媛百華繚乱

恋華・9

時間をかけて傷跡全てに口付けを贈り、ベルトを外したことにより丸みを取り戻した姉さんの胸の先端、すでに色づき立ち上がっている乳首へと漸く唇を落とす。
途端に零れる甘い悲鳴に瞬間、身体の芯が熱くなるのを感じた。
首筋から鎖骨、二の腕の内側。皮膚の弱いところに無数の痕をつける。
所有の証だ。
この人は僕だけのものだと。

肉の薄い腹部を通り抜け、姉さんの大事な場所を覆い隠している蜜色の恥毛を掻き分け、舌を押し込む。
独特の甘酸っぱい匂いを吸い込みながら狭い内部を探る。内側から少しずつ滲み出してくる蜜を啜りこみ、若干の息苦しさに耐えながらなお奥を探る。
指で探るよりも痛みは少ないはず。
その場所と少し上に位置している敏感な突起を刺激して姉さんの身体に快感を覚えこませていく。
快楽に馴染んできた姉さんの様子に内部を弄んでいた舌を引き抜く。代わりに舌で届かない部分を探るのに十分濡らした指をゆっくりと挿入する。
上がった声は若干痛みを含んでいて。
狭くて柔らかくて熱い姉さんの内部から直接刺激を与えてやると零れる声は少しずつ悦楽へと染まっていき、内側から溢れ出す愛液の量もだんだんと増えてくる。
指一本で痛がる姉さんの身体は明らかに誰も知らない。
無垢なまま僕を待ち続けていてくれた。
無防備なこの人を多分先ほどの彼が守っていてくれたのだろう。
でなければとうに汚されてしまっていただろうほどに姉さんは綺麗になっていたから。

快楽に染まって朦朧としているところを狙って僕は初めて姉さんの内部へと踏み込んだ。
硬直した身体を宥めながら少しずつ自身を飲み込ませていく。
緊張で冷たくなりかけた姉さんの身体、思ったよりもきつく締め付けてくるそこの狭さに何度も息を詰まらせて。
ふと。
先ほど散々いじった姉さんの小さな突起へと指を滑らせた。
甲高い声を上げた姉さんが大きくのけぞって僕を飲み込む角度が変わりまた声を上げる。
刺激を少しだけ強くしただけで姉さんはあっけなく達した。
熱い愛液が姉さんの中から大量に放出されるのを感じ、その滑りを借りて一気に奥へと踏みこむ。
朦朧としたままの姉さんは衝撃のままに声をあげ、僕が与える動きを貪欲に貪り始めた。
柔柔と僕自身に絡みつく肉壁は内側へと取り込もうとする動きへと変化し、添えられた手は僕にすがり自由な右足は僕の腰へと絡みつく。
僕を求める動きに僕の理性もあっさりと陥落してひたすらにお互いを求める行為にのめり込んでいった。

大量に姉さんの中に注ぎ込んだ僕の精。
姉さんの純潔の証と交じり合ってうっすらとピンクを帯びたそれを媒介に姉さんの手足を取り戻す。
それが失われた姉さんの全てを取り戻すために僕が考え付いた術。
命の元となるタンパク質。
当たり前に僕と姉さんの身体の中に存在する物質を元に姉さんの手足を培養する。
大切な姉さんの身体をこれ以上欠けさせるわけには行かないから。

ぐったりと意識を飛ばしたままの姉さんの痛々しい傷跡に口付ける。
僕のものである傷跡。
消してしまうのは惜しいけれど、自由な手足を返してあげたい。

僕の持つ全てを掛けた錬成。
通常の錬成とは全く違う錬成は僕の神経をぎりぎりまで張り詰めさせ、ともすれば途切れてしまいそうになるけれど。
歯を食いしばってそれに耐え、一つたりとも見逃しの無いように目を凝らす。
ゆっくりとしかし確実に進むそれは姉さんが目覚めるときにはきっと全てが終わっているだろう。

今度こそ貴女の心からの笑顔が見れる。
そう、信じて。


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